日韓トンネルによる地域総合開発

第2国土軸構想との整合性と一体性

− 政策提言 −


 はじめに

 わが国はこれまで青函トンネル、瀬戸大橋などの一大事業を完遂してきたが、この叡智というものは、日本民族のためにのみ使うのではなく、人類全体の福祉向上のために 用いられるべきものであると思われる。今日、人類は東西冷戦を終結し、戦争から平和 ヘの思考へと向かいつつあり、しかもグローバル思考の時代に入り、日本の国策も、“ 国際貢献” が基本方針となってきた。世界に目を転じると、ヨーロッパでは欧州統合がなされ、さ らに英仏を結ぶドーバー海峡トンネルも完成された(1994 年営業開始)。今こそ、わが 国も、“東京発ロンドン行”という人類の夢を叶える時ではない であろうか。

 1)開発の効果

 初めに日韓トンネル建設による開発の効果、プロジェクトのねらい等を見てみると、具体的に考えられるものとして、 以下のようなものが指摘できる。

・人類愛という高い次元の価値観による国際秩序の確立により、莫大な経済的浪費と資源の損失を避けることができる。

・人、物、文化の交流(高速輸送システムや光ファイバーケーブルによる通信のネットワーク化など)が円滑になり、技術や産業の平準化が促進され、アジアの均衡ある発展に寄与することがでる。

・エネルギー(電力など)と資源(天然ガス、水など)の有効利用が可能となる。

・東アジア共同体形成への大きな足掛かりとなる(日本、韓国、中国、台湾の人口が14億人)。

・東アジア地域は、人的資源、物的資源が多彩でかつ豊富であり、交通機関を充実させることにより強力な経済圏をつくることができる。その際、日本・韓国・中国東北部が工業国として中核的役割をもつ。

・世界経済の活性化に役立つ。

・青函トンネルや本四架橋、東京湾横断道路などで蓄積した技術ノウハウをさらにレベルアップさせ、世界中の巨大プロジェクトに貢献することができるようになる。

・その一例として、日韓トンネルだけでなく、宗谷海峡と間宮海峡をも海底トンネル で結ぶことにより、環日本海交通網の実現が可能になる。

・日韓トンネルの建設により、長期的に雇用や資材の需要が生じるので、関連地域に莫大な経済効果をもたらし、景気の安定化や経済摩擦の解消にも役立つ。−−などが考えられる。

 2)地域整備構想との整合性

 わが国では、新総合計画として第二国土軸構想というものを練っている。従来の第一国土軸(東海道・山陽道)と第二国土軸(東京・伊勢湾口・紀伊半島・紀淡海峡・四国・豊予海峡・熊本<長崎>)とが交わるところが九州北部になるわけで、そこと朝鮮半島とを結ぶことによって大陸との連携ができる。中国・四国・九州地域には、多くのプロジェクトが計画されているが、この東西の国内軸が大陸と連携されることによって南北の国際軸と交わることになる。

 (参照):「全国新幹線ネットワークー整備新幹線の計画進捗状況ー

 (参照):「20XX年、北京(ソウル)出張ー航空それともリニアー」
       JR東海のリニア新幹線建設の自己負担スキーム

  
                                          鳥栖ジャンクション(「佐賀県庁」HPより)
 日本国内の輸送手段の動向分析によれば、物流の大半はトラック輸送が占めている。空路の物流が緊急品ならびに高価長距離品を、また海路の物流がバルクカーゴ(大口貨物)を分担するのに対し、これからの日韓水平分業の新時代における、加工貿易品の物流を担当する輸送手段は、主にトラックとなると思われる。また人流についても、長距離においては空路が優勢であるのに対し、500km〜700kmでは鉄道が、500km 以内は自動車が大半を占めている。九州における陸上交通の最大の要衝である鳥栖インターを中心として、その半径500km圏(図は対馬中心)は、韓国のほぼ全域と西日本をカバーする。その円の中央を貫くことになる日韓トンネルの交通需要は、おそらく物流の鉄道・コンテナ(ないしはトラック)輸送と、人流の高速鉄道(ないしは自動車)輸送になると思われる。なお上記の500km圏内にあって、日韓トンネルとの相互影響する大規模プロジェクトが考えられる。


 日本国内の国際ハイウェイルートについては、既存の交通体系との連携を考え、しかも来世紀の生活様式に合致した新しい土地利用を踏まえた上で、今後検討されるべきであろう(すでに、第二東名・名神高速が着工されている)。ここでは、日韓トンネル関連地域の整備構想を立てるに際して、基本方針として、各地域の役割と機能を明確にし、しかも既存の開発計画とも関連させながら、国際的な相乗効果を高めることができるように配慮する必要がある。

 3)目的と位置づけ

 プロジェクトというものは国内的ないしは国際的に、直接的ないしは間接的にインパクトを及ぼすことを目的としている。国内課題としての「九州一対馬海峡トンネル(架橋)」は、九州や日本海側諸地域の文化や経済の活性化を促す具体的方策のーつとして考えられる。とりわけ、北部九州地域や壱岐、対馬を含め、その他の離島問題の解決に大いに寄与することが目的となる。離島は気象条件次第では交通困難となり広義での日常生活に大きな不安の要因となっており、青函トンネル計画の要因とも類似している面もある。


 これを解決するには、完全な交通路を確保する以外に手立てはなく、架橋や海底ないし、海中トンネルの建設によるしかない。国際課題として、「対馬一大韓海峡トンネル」想定では、大陸と朝鮮半島それに日本を加えて特性別の相互連帯による文化、政治、経済などの有機体をつくり、経済活動の活性化と広義の居住環境の改善を図り、東アジア地域の恒久平和構築のインパクトになることが期待されている。


 建設事業そのものについては、国内課題の部分と二国間課題の部分とになる。建設に関する未開発技術については、技術移転を進め、場合によってはジョィント・ベンチャーも考えられる。「九州一対馬海峡トンネル(架橋)]プロジェクトは、日本の国内課題であるので、徐々に広く参加者を求め、推進グループを結成し、国民的コンセンサスのもとに進められるべきであると考える。客観的な目的としては、本土と離島はもとより、日本と大陸とが結び合って、自由と人間の尊厳、そして各民族国家の権利を守り合うことを共通の価値として、その価値観の共同体を築くことができるようになることを想定するものと思われる。

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