太平洋新国土軸構想(第2国土軸構想)
リニアモーターカー(東京・名古屋・大阪)の延伸計画



 ワイズマン報告にみる第2国土軸構想

 国連技術援助計画に基づいて編成された専門家調査団による「都市問題及び地域計画に関する1964年調査団報告」いわゆるワイズマン報告は、第二東西道路を中心とする新たな国土幹線交通軸の整備とそれを基盤とする地域格差の是正の重要性を指摘した。これが、本報告の第二国土軸構想の原点となっている。

 参考:「全国的な輸送開発による日本の物的総合−ワイズマン報告抜粋

 自動車を渡し得る渡船場の数や能力を増すことは勿論必要であるが、日本の島々を結ぶ橋やトンネルの計画がある。調査団が訪れた各地域においても、瀬戸内海の架橋計画や門司、下関間の挟さく部を横断する橋及びトンネルの計画がある。前回日本を訪れた際、明石から淡路にかける橋について知らされていた。我々はまた、本州と四国の間に広島の近くで架橋する計画があることを知っている。これらの連絡は、広い水面の障害により孤立させられていた色々の島を連絡することになるから極めて重要である。

 橋やトンネルで島々を相互に連絡することにより、この距離を征服しようとする方針は、国家として大切なものである。島相互間の他の橋やトンネルについては何の話もなかったか、和歌山と四国を結び付ける計画も我々の将来のヴィジョンの中に入れてよいであろう。さらに遠い将来においては、四国と九州を佐賀関で連絡することも考えられよう。

 これらの相互連絡かすべて実現すれぱ、日本の様子は一変するであろう。そのときになれば、以下に述べるような計画を加えて、国土か完全に連結できるようになろう。有明海の一部を締め切れば、大分から長崎への道は今よりずっと短くなろう。渥美半島と鳥羽の間の伊勢湾入口を閉じるなり、ここに橋を架けるなり(前に述べたように)すれば、静岡、長崎間に第二東西道路を開く可能性も出て来よう。

 この這路は渥美半島を通り、紀伊半島を抜けて和歌山に至ることになろう。それから、将来は四国と橋で連絡し、四国を横断し、豊後水道を通って佐賀関に至り九州と有明海の一部を絡め切る堤防とを経て長崎に達する。現在ある東西間の道路は、愛知県・阪神・岡山の人口過密な都市区域を通っているか、第二東西道路は、第一道路の交通を緩和するであろう。


 第二国土軸構想の概要

 ワイズマン報告にその端を発する新しい国土軸構想を第二国土軸構想として再構築し、その推進を図ろうとする基本的な背景は次のようなものである。

 1)今日、人口のみならず、金融、情報、業務管理等高次都市機能が東京圈へ過度に集中した結果、社会・経済の様々な分野で矛盾と弊害が露呈してきている。そのため、肥大化した東京圏の高次都市機能を地方に分散し、四全総のいう「多極分散型国土」を実現することが強く求められている。

 2)一方、東京圏への一極集中の結果、高速交通網の整備が遅れている地方においては、若者の流出に歯止めがかからず、過疎化や高齢化の進行が深刻な状況を迎えつつある。そのため、過疎化に悩むこうした地域をいかに活性化するかが緊急の課題となっている。

 3)そこで、西日本において、東海から、伊勢湾□、紀伊半島を通り、紀淡海峡、四国、豊予海峡を経て九州に至る新たな国土軸を形成し、これまでの第一国土軸との有機的な連携を通じて、西日本全体を包括する広域経済文化圏を形成することによって、これらに地域の活性化を図るとともに、スーパーパワーを有する東京圏に拮抗しうる圏域をつくることが必要となっている。

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 3、西日本における新たな国土軸(第二国土軸)の形成

 新たな国土形成からみた第二国土軸の必要性

 多軸型国土を形成していくためには、現在の第一国土軸に加えて、わが国の国土の地勢的、歴史的・文化的特性や都市的機能の集積状況、交流基盤の整備状況等を踏まえたうえで、複数の国土軸を育成していく必要がある。そして、その複数の国土軸の一つとして育成すべき軸として西日本における新たな国土軸、すなわち第二国土軸が位置づけられる。

 均衡ある国土利用のため活用すべき第二国土軸ライン

 新全総においては、わが国の国土を気候・風土、生活様式等から北東地帯、中央地帯、南西地帯に区分している。このうち、これまでは中央地帯における開発・整備が集中的におこなわれたため、偏在した土地利用となっている。

 そして、偏在から均衡へ、一軸型から多軸型へと国土の利用形態を改変していくための新たな国土軸の一つとして、すなわち国土軸形成を通して地域の活用を図るべきラインの一つとして新全総でいう“西南地帯”を含む東海から紀伊半島を経て四国、九州に至るラインが浮かび上がってくる。これは、昭和40年のいわゆる「ワイズマン報告」で提起された「第二東西道路」がその原点といえる。

 古くから街(海)道性を有していた第二国土軸ライン

 古代の律令制時代の7つの官道の一つとして南海道があり、国家の神経系統として中央と地方の間の情報伝達路の役割を果していた。また、海外との交流に目を向けると、近畿〜瀬戸内海〜九州は重要な国際交流軸の役割りを果たしていた。

 このように瀬戸内地域は、政治の中心である畿内と大陸につながる九州とを結ぶわが国で最も重要な地域の一つであり、山陽と北四国の2つのラインを中心ににぎわいを見せていた。また、近代について見ても、瀬戸内海はわが国の重要な交流軸としての役割を果たしており、山陽、北四国の2つのラインは、山陽新幹線、中国縦貫自動車道により交流軸が北へ(山陽ラインヘ)シフトするまでは、共にわが国において重要な交流軸としての機能を担っていたのである。 

 このような歴史的事実は、四国〜九州の第二国土軸ラインが国土軸としてのさまざまな利点を有していたことを物語ると同時に、歴史的交流過程でのさまざまな蓄積は、新たな国土軸形成にとってかけがえのない資産であると見ることができる。

 地勢的に浮かび上がる第二国土軸ライン

 わが国の国土の地勢的条件を見ると、比較的低地が連続するラインの一つとして、第二国土軸ラインが浮かび上がーってくる。もっともこのラインは、伊勢湾口、紀淡海峡、豊予海峡によって分断されているが、高速道路、高速鉄道といった水準の高い国土交通軸としての陸上交通によって連絡されるならば、“海を介してつながるライン”であると同時に、“陸つづきのライン”となり、多軸型国土を切り開く特色ある国土軸に対応するラインとして見ることができる。

 国際軸としての交流基盤条件を備えた第二国土軸ライン

 第二国土軸地域は、アジアの諸外国に近接しているという地理的条件もあり、古来からアジアとの交流拠点、中継拠点としての役割を果たしてきた。そして、近年のアジア諸国の目ざましい経済的発展に伴って、これら諸国の外交、貿易、
観光等の拠点づくりが第二国土軸地域において進められている。

 また、第二国土軸ライン上には、アジア・太平洋地域を中心とした国際交流の中継機能を果たす国際ハブ空港としての関西国際空港が供用されている他、新たな国際ハブ空港としての中部新国際空港も運用が開始されている。さらに、九州地域においても新空港が供用されている。さらに、国際化の進展が著しい地方空港も多い。

 海上交通においても、北九州や四国、関西で、韓国や中国等東アジアとの航路が開設されているように、その国際化が着実に進展している。このような状況にある第二国土軸ラインは、各地域が自立的に海外と交流する国際軸としての基盤条件が次第に整いつつあるラインと見ることができる。

 4、第二国土交通軸の必要性

 第二国土軸の交流基盤として、第二国土軸の形成を支え、第一国土交通軸との連携により西日本広域経済文化圏を形成し、国土の均衡ある発展を図るための大動脈である第二国土交通軸は、東海から紀伊半島を経て、四国、九州に至る高速鉄道・高速道路である。

 この第二国土交通軸は、西日本広域経済文化圏の形成に寄与するとともに、限界に達した第一国土交通軸問題の抜本的解決、これからのわが国の発展に大きくかかわる国際空港機能を果たすために必要な空港相互の連携による対応、さらには新しい国土交通体系、国際交通体系の再編への道を切開くものとなる。

 地域相互の交流を促進させるためには、交流基盤としての交通軸が不可欠である。海峡により隔てられた地域を連絡する海峡連絡交通軸の整備は、新たな海峡交流圏の形成をもたらし、海峡交流圏は既成ブロックのインターフェースの役割を果たし、それによって既成のブロック相互の連携は新たな段階へ発展していく。

 そして、海峡連絡交通軸を含む第二国土交通軸の整備は新しい西日本の広域経済文化圏の形成へと結実していく。このように第二国土軸形成のためには、高速でかつ信頼性の高い第二国土交通軸の整備を必要とする。

 5、第二国土交通軸のあり方

 〜総合的な国土交通軸の形成〜

 第二国土交通軸は、西日本広域経済文化圏の形成にとって、わが国の国土レベル、国際レベルの新しい交通体系を形成するという極めて重要な役割を果たすものである。従って、第二国土交通軸の具体化に際しては、国土交通と国際交通の連携、国土交通と広域的な地域交通との連携を可能とする陸・海・空、それぞれの交通手段からなる複合体として捉えていくことが必要である。

 またその実現に際しては、段階的な過程を踏む必要があるが、同時に、将来におけるリニアモーターカー、テクノスーパーライナー等、新たな交通手段の実用化を視野に入れておくことも重要である

 西日本広域経済文化圏を形成するためには、各地域の資源、機能の相互活用を可能とするような交流条件をととのえることが必要であり、そのためには、交通軸としての第一国土交通軸、第二国土交通軸を基軸とし、さらに3本の本四架橋等を加え、複数の環状交通体系からなる西日本における大環状交通体系を形成していくことが必要である。

 本四架橋に加えて第二国土交通軸を整備することにより、大きな環状(外側)と小さな環状(内側)からなる環状交通体系が形成され、これにより、人、物、情報がそれぞれの地域で循環することが可能となり、西日本広域経済文化圏の形成が支援されていくこととなる。

 2)第二国土交通軸形成のための交通プロジェクト

  高速道路ネットワーク

 第二国土交通軸に対応する高速道路のルートイメージと既定計画(第10次道路整備五箇カ年計画)との関連を見ると、3海峡(伊勢湾口、紀淡海峡、豊予海峡)、東海南海連絡道、中九州自動車道以外は、約14、000kmを目標とする高規格幹線道銘網の中に位置づけられている。

 第二国土交通軸に対応する高速道路軸の形成に向けては、既定計画の実現を図ることが重要であるとともに、併せて3海峡(伊勢湾口、紀淡海峡、豊予海峡)の連絡及び東海南海連絡道、中九州自動車道の整備を推進していくことが必要となる

 高速鉄道ネットワーク

 第二国土交通軸に対応する高速鉄道のルートイメージと既定計画(新幹線整備計画)との関連を見ると、@四国新幹線、A中国新幹線、B九州横断新幹線−−として基本計画線に位置づけられており、第二国土交通軸に対応する高速鉄道軸の形成に向けては、これら基本計画線の整備計画線への格上げ、さらにはその実現へと進めていく必要がある

 (参照サイト):「道路ができるまでの経過」(予定・計画・整備路線など)

 【記】 1974年3月、運輸省は需要が急速に拡大していた東海道新幹線のバイパスとして、基本計画に組み入れていた中央新幹線について、1985年完成の予定を1980〜81年と改め、前倒し着工することを決めた。7月には、徳永運輸大臣が国鉄と日本鉄道建設公団に対して、中央新幹線の山岳部と四国新幹線の海底部の調査を指示している。この四国新幹線の背景には、7月7日に行われた参議院選挙の最中に、田中角栄首相が公約として、四国新幹線の調査を地元に約束したことがある。このとき出された指示は、愛媛と大分との間の豊予海峡部分(1988年12月に調査結果が出されている)である。1983年12月には、本州−淡路島区間の指示も出されている。この区間は当初、大鳴門橋を新幹線規格で使用する計画であったが、1985年に大鳴門橋が自動車専用に変更された。したがって、走体としては海底トンネルを走ることになる。

 6、形成に向けての課題

 第二国土軸の実現へ向けては、新しい国土構造としての多軸型国土に関する合意形成、多軸型国土形成のための第二国土軸構想のさらなる具体化を前提とした上で、次のような諸課題解決のための不断の努力を続けていく必要がある。

 1)海峡連絡ルートの整備にかかわる課題

 【伊勢湾口】 平成元年から建設省により、大規模事業計画調査の伊勢湾環状道路の一環としての伊勢湾口道路の気象観測調査が行われている。

 【紀淡海峡】 日本鉄道建設公団による海底トンネルの調査が昭和58年より継続して行われており、平成3年度からは建設省により、大規模事業計画調査の大阪湾環状道路の一環としての紀淡海峡道路の調査が行われている。

 (参照):「紀淡連絡道路由良瀬戸大橋の調査現況」(PDF)

 【豊予海峡】 すでに日本鉄道建設公団により海底トンネルに関する地形・地質調査が終了しており、昭和63年に「技術的に可能」との結論を得ている。また、これらのルートについては、平成3年度から建設省において、「海峡横断道路プロジェクト技術調査委員会」が設立され、技術的な面からの検討が行われてい る。

 (参照):「豊予海峡の海底地形図」

 以上のような状況から、海峡連絡ルートの実現に向けては、現在行われている調査を促進するとともに、国の計画へ位置づけていく必要があり、基礎的調査が終了したところについては国により着工に向けた本格的な調査が速やかに開始されることが望まれる

 その場合、海峡を連絡する構造物を海底トンネルとするか橋梁とするかについて、現状ではいくつかの技術的な課題があり、将来の技術革新の動向や整備効果等を勘案の上、明らかにしていく必要がある。

 7、陸上ルートの整備にかかる課題

 3海峡を除く陸上ルートのうち、道路については、「東海南海連絡道」及び「中九州自動車道」を除いて国の高規格幹線道路網に位置づけられており、今後はより積極的な整備促進が望まれる。また、「東海南海連絡道」及び「中九州自動車道」については、国の高規格幹線道路に速やかに位置づけられることが必要である。

 さらに、鉄道については、全国新幹線鉄道整備法に基づく国の基本計画の中に、@四国新幹線、A中国新幹線、B九州横断新幹線−−として位置づけられており、今後は整備計画線への格上げを急ぐとともに、将来的にはリニア新幹線の可能性についても検討していく必要がある

 第二国土交通軸をはじめとする新たな国土交通軸の建設には長期間を要するものの、それによる多軸型国土の形成、均衡ある国土の実現は、将来のわが国の発展を左右する最も重要な国土レベルの課題であり、長期的観点からの投資効果としてははかり知れないものが期待できる。 010

 従って、先行投資型の発想に基づき、第二国土交通軸をはじめとする新たな国土交通軸の形成を図っていくことになるが、これを実現するためには、建設主体の問題、国及び地方公共団体の負担割合の問題、運営主体、運営形態の問題など、投資のあり方にかかわ る基本的課題に対する取組みが必要である。

 (参照サイト):「整備新幹線の扱いについて、政府与党合意(国土交通省)

 (参照サイト):「新幹線の線路使用料 /JR貨物の線路使用料」

 (参照サイト):「20XX年、北京(ソウル)出張−航空それともリニア」

(出典資料):第二国土軸構想策定基礎調査報告(概要)  平成4年3月
−多軸型国土と第二国土軸−
〜新たな国土軸の形成に向けて〜
第二国土軸構想策定基礎調査委員会


≪地方議会の意見書≫

□ 太平洋新国土軸構想の実現と日韓トンネル建設の早期着工を求める意見書
   (平成23年9月、徳島県議会定例会)

佐賀県・「こちら知事室」です 現場からお伝えします
   (平成22年5月10日(月曜日) 日韓トンネル構想に関する検討会(佐賀県庁))

アジアと日本の平和と繁栄を目指す「日韓海底トンネル」の早期建設を求める意見書(案)
    (平成25年2月1日、長崎県対馬市議会)


   

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